立川中央法律事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。弁護士の長谷正宏です。
ここ最近、相続のご相談を受ける機会が多くなっています。
また、相続法については、2018年に改正法が成立し、多くのものは2019年7月から施行されています。
そこで、ご相談をご検討されている方のために、相続の仕組みを簡単に紹介していければと思います。
目次
相続は、死亡によって開始します(民法882条)
相続人は、亡くなった被相続人の財産を承継します。ただし、相続人は、相続を放棄することもできます。※相続放棄については、また回を改めてご紹介したいと思います。
相続人は、次のようなルールで決まります。
なお、相続人は、原則として、被相続人が亡くなった時点で生存していなければなりません。
被相続人の配偶者は、常に相続人になります(民法890条)
配偶者以外の者については、以下のような順位で相続人になります。先順位の相続人が一人もいなければ、その次の順位の方が相続人になります。
①第1順位 被相続人の子
被相続人が亡くなった時点で子が既に亡くなっている場合は、孫やひ孫が第1順位の相続人になります(代襲相続、再代襲相続)。
②第2順位 被相続人の父母
父母が亡くなっている場合は祖父母が相続人になります(代襲相続ではなく、祖父母固有の相続権)。
③第3順位 被相続人の兄弟姉妹
父母双方を同じくする兄弟姉妹も、父母の一方しか同じでない兄弟姉妹も、相続人であることには変わりありません(相続分の差異については後述します)。
被相続人が亡くなった時点で兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、兄弟姉妹の子が相続人になります(代襲相続)。
ただし、被相続人が亡くなった時点で兄弟姉妹及び兄弟姉妹の子が既に亡くなっていたとしても、兄弟姉妹の孫は相続人になりません(再代襲相続はありません)。
内縁配偶者、事実婚やパートナーシップの当事者は、相続人になりません。
内縁配偶者等に財産を承継させるには、
相続人が誰であるかが分かれば、次は、誰がどれだけ相続する権利を持つのか(相続分)を確認することになります。
この点、被相続人は、遺言で相続分を決めることができます。(民法902条1項)
遺言で相続分の指定がない場合には、民法に定められている相続分の規定(民法900条)が適用されます(法定相続分)。※相続分の変動については、回を改めて紹介します。
昭和56年1月1日以降に開始する相続についての法定相続分は、以下のとおりになります。
なお、子、父母、兄弟姉妹が複数いる場合、それぞれの相続分は、上記の相続分を人数で割った割合になります。
例えば、相続人が、配偶者Aと子2人(B、C)の場合、各人の相続分は、
となります。
養子は、縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得するので(民法809条)、実子と均等の相続分を有します。
また、現在では、非嫡出子(いわゆる婚外子)も嫡出子(婚姻関係にある男女から生まれた子)と均等の相続分を有します。
少し複雑なお話しとして、養子は、相続人の資格を重複して有する場合があります。
例えば・・・
このとき、被相続人の子は3人いることになるので、各人の相続分は、
となります。
父母の一方しか同じでない兄弟姉妹の相続分は、父母双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の半分になります。
例えば、被相続人と父母が同じである兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)Aと、被相続人と父だけが同じである兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)Bがおり、被相続人が亡くなった時点で既に父母、父の後妻が亡くなっている場合、
となります。
以下の場合には、相続資格が認められません。
法律上当然に相続資格が認められない場合として、以下の5つの事由が定められています(民法891条)。
被相続人の意思に基づいて遺留分を有する推定相続人(配偶者、子、直系尊属)の相続資格を剥奪する制度であり、廃除事由として以下の事由が定められています(民法892条及び893条)。
いかがでしたでしょうか?相続における法律と税金の話は非常に奥が深く、悩まれることも多いかと思います。お悩みの際には専門家に一度ご相談されてみることをお勧めします。
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